月の歌。心の糸。
20年と少し前。前回は、さだんのデビュー20周年記念の年で、僕は20代でした。ツアープログラムの特集ページを執筆するライターとして、写真家の齊藤文護さんと二人で、さださんの歌の舞台を訪ねました。北は岩手から、東京、京都、奈良、山口、南は福岡、長崎まで。あの時の旅が、僕にとっ...
導かれて。流されて。
言葉を書くことが生業だというのに。僕は、筆不精です。かくして、このブログも、あっという間に1年以上が過ぎてしまいました。お恥ずかしい。出会いがあり、別れがあり、役割に気付いた・・・そんな1年でした。生きるとは関わることだと知った、1年でした。命(あるいはエネルギー)との関わ...
あなたへの誓い。あしたへの祈り。
70年前。 この空は燃えていた。 人も緑も風も。すべてを焼き尽くし。 70年後。 その空の下に立つ。 爆心地で。僕はひざまずく。 理屈を捨て。 理想を捨て。 愛をも捨てて。 ただ、目を閉じる。 セミが声明を唱えている。 のどを枯らし、血を吐くように懸命に。...
世界の答えはツキアカリ。
ふと思い出す記憶は、 特別なものなんかではなくて。 吹き出してしまうくらい、 他愛もない瞬間だったりする。 ふと気がつけば、 歩き慣れた道にも、光はとどまり、 微かな風のなかに、 過去と未来の時間の匂いが残る。 「今」は、二度とない。 繰り返しのように見える毎日は、...
風が伝える彼の歌
空はどうしてこんなにも 青く続いているのやら あの日の丘で手に触れた 名も無き花の美しさ この先に続く世界には 誰かを守るそのために 誰かを傷つけ攻めるよな この先に続く暮らしには そんな悲しい繰り返し どうかありませんように 風はどうしてこんなにも やさしく頬をなでるのか...
夏の足音。恋の風。
6月の声とともに、九州も梅雨入りの様子。ご覧の京都・賀茂川沿いの川床は、毎年5月に解禁。梅雨入り前の設えに、時節の走りを愉しむ都人の気概を見る思いがします。照りつける日差しより先に届く、夏景色の便りです。あなたにとっての夏景色は?入道雲に夕立に、アイス珈琲のカラカラカランの...
サンセット・ノスタルジー
心に残る夕景で思い出すのは、どこですか。ビルの谷間に沈む陽を眺めながら、そんな質問を受けたことがありました。考えてみると、日常はもちろん、旅先でも、ゆっくりと夕陽を眺めたことがないことに気づいたものです。毎日のように繰り返される風景でも、その時の気持ち次第で、印象は一変しま...
東京発:2015年宇宙の旅
5月の晴れた日。僕は宇宙を感じました。もしもあなたが、今見ている、目の前の世界が全てだと感じているとしたら、ぜひ、この島を訪ねて欲しいと思います。東京都大島町。玄武岩質マグマが活発な活火山の島です。誕生は、数万年前の海底噴火にまで遡ります。1500年~1700年前、複数回に...
技に酔い。縁を味わう。
3.11以降、僕のモノ選びの基準は変わりました。キーワードは、「サバイバル」と「リラクゼーション」。 身回りの日常使いの品は、作り手の顔が見えるモノを選ぶようになりました。「金は天下の回りもの」の可視化を進めた、というワケです。この日、手に入れたのは、笛吹きガラスのぐい呑み...
春のうららを待ちながら。午後の空に飛ばす夢。
いつか思うのだろうか。今日という名もない1日に、ノスタルジーを感じながら。見過ごした空の雲の形を。病床の身など思いもよらぬ、ただ今を生きながら、偶然、あるいは必然に、ただただ恵まれていたのだと愛おしむのだろうか。見えぬ明日を憂いながら、机上で味わうカフェ・オ・レに、春の午睡...